MOLICE戦記ll -A Record of “MOLICE BATTLE”  second edition-

"MOLICE"ギタリストによる、日々の戦いの記録

誠意ある音楽

2009/06/17 Wed [Edit]

緊張感を持たせてくれるような言葉が好きだ。
胸にナイフを突きつけるような言葉が好きだ。

それは眠気を覚ますコーヒーのように、
精神を引き締めてくれる。

ジョン・ライドンという男がいる。
この男の言葉で、忘れられない言葉がある。
セックス・ピストルズの音楽について質問された時の言葉。

「この15年で一番正直な音楽さ」

時として、真理の言葉というか、世界に残り続けるような言葉、
というものは思わぬところから発せられるものだ。
このとき、まだ20歳か21歳の若い男が残した言葉が
僕の中で消えなかった時は無い。

実は僕はこの言葉を間違って記憶していた。

「この15年で一番誠意のある音楽さ」

僕はそう覚えていた。
何故「正直」が「誠意」となったのかはわからない。
酔っぱらって聞いていたためなのか、何なのかはわからないが、
とにかくそう覚えていた。
そして、それを常に自問自答していた。

自分のやろうとしている音楽や創作、態度にそれはあるのか?
「誠意ある音楽さ」
と自分は答えられるのか。
ただそれだけを自分に問い続けている。ずっと。

その言葉を口にする度に、一瞬息をのむ。
目が覚める思いがするのだ。
「お前はそれでいいのか?」と自分に問う時、
僕はいつもその言葉を頭でつぶやく。

「それは誠意のある音楽なのか?」

自分の考えたフレーズ、
自分の出した音、
自分の今のこの演奏、
そこに誠意はあるのか?

「何となく、どうにかなる」という敗者の惰性で音を鳴らしてはいないか?
自分のハードル、最終ラインをずるずると下げ続ければ、
大抵の事はどうにかなる。
これいいだろう、と手を止める事は出来る。
誰も見ていない。
誰もとがめない。
投げ出す事も出来る。
それが自分の人生だから。
君がいいのなら、それでいいんじゃない?
皆、そういうだろう。
それは正しい返答だ。

だから、自分に問う。
自分の問題なのだ。

「それは誠意のある音楽なのか?」

「そうだ。」

そう答えるために毎日がある。






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