MOLICE戦記ll -A Record of “MOLICE BATTLE”  second edition-

"MOLICE"ギタリストによる、日々の戦いの記録

続・我、腐敗するサウンドに抵抗す。

2009/01/04 Sun [Edit]

サウンドのお話、の続き。
サウンドというのは当たり前だがギターだけじゃない。
ドラムとベースとボーカルもある。
四つだけじゃん、という単純なものではない。
それぞれの音をどうやって配置してどういう音質にしてどのくらいのボリュームで出せば
自分が思う最高にカッコいい音になるのか、という音とのにらめっこだ。
これが実に大変である。
まず「自分が思うカッコいい音」という、一見シンプルなようでとても曖昧な概念。
大体自分がカッコいいと思う音、なんてのはコロコロ変わって当たり前のもので、
その変化の周期は一日単位でやってくる。
「おお、これ今まで気がつかなかったけどカッコいい!」なんて事は
最早日課のように起きる。
そのたびにアルバムの音の基準が変わっていては百年経ってもアルバムは完成しない。

繰り返すが、サウンドは腐敗するのだ。

先週の自分の基準が、今日の自分の価値観にとっては
「もう古い、腐っている」ものだったりする事は日常茶飯事。
だからこそ、いつまでも変わらない、本当に強くて無敵のサウンドを探すのだ。
自分の姿勢は「音は絶対腐る、古くなる。」という認識と
「絶対に腐らないものを見つけたい」という矛盾した感覚で成り立っている。
この矛盾を認識したのはいつからかは覚えてないが、
音に限らず、僕の頭の中はいつもこんな矛盾をくるくる回す事を繰り返している。
いつか死ぬ。でも今は生きてる。極論だがこれも矛盾。
で、至ったさらなる結論。

矛盾は素晴らしい。     と、いう極論。

ぐちゃぐちゃでいい。こういう東洋的哲学が僕は好きなのです。

むむ、これでは一向に解決は望めないのだが、
別に何でも解決しなくてもいいんじゃないの?
大体何でも解決しようという、その姿勢が気にくわん、という
錯乱したやり取りが自分の頭の会議場では日々行われています。

兎に角そうした堂々巡りの中で『Doctor Ray』のサウンドは生まれた訳です。
で、結局どうなったか。
これは、MOLICEが2008年のある時点で下した、
「最高である」という一つの姿なのです。
例えるなら写真みたいな感じ。
写真の自分は自分だけど、今の自分とは違う顔をしている。
でも『Doctor Ray』という写真を一番かっこ良く撮る為にメイクも筋トレもおしゃれもしましたよ、
という感じでしょうか。
もう同じ顔は二度と出来ませんが、
あのときあの場所でのMOLICEがそこにはハッキリ写っています。

技術的なお話をすると調子に乗って、朝までブログ書きをやることになるので
泣く泣く割愛させて頂く。

どうせいつかは何だって腐り消えてしまう。
どんなものだって消えてしまう。
別にニヒリストでもなく、スカしている訳でもなく、そう思う。
そんな自分が思っていた事。

100年残るように。

それが『Doctor Ray』に込めた想いです。
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