MOLICE戦記ll -A Record of “MOLICE BATTLE”  second edition-

"MOLICE"ギタリストによる、日々の戦いの記録

我、腐敗するサウンドに抵抗す。

2008/12/09 Tue [Edit]

レコ発のイベントも無事終わり、いよいよ我がMOLICEの『Doctor Ray』が発売される。
ゆっくりでもいいから世の中に染み渡っていけば良いと思う。
たくさんの人に聴いて欲しいCDだ。
だからできるだけたくさんのお店で買えるようにしたい。
まだその体制は出来ていないけど、必ず整えたい。
まあその辺はゆっくりと確実に。。。

このCDを作っていく時、僕はその始めから最後までの過程を全て知っていて、
どこにどんな音があるかも知っている、という話は前にもした。
メンバーが何時間か缶詰になって一発録音で録ったものに
音をかぶせたり、ミックスしたりしていく。
僕の役目はサウンドだ。
録音した環境、自分たちの技術、使っている楽器、録音に使ったマイク。
その制限の中でどんな音ができるのか、想像と実験。
「これはできる。あれはできない」と耳と頭をぐるぐる回転させていた。
時には、どうしても解けない数式に向かっているような時もあった。

良い曲や詩やリズムは絶対に古くならない。
いいフレーズも然り。
酸化や腐敗を免れる事が出来る。
だけどギターの音というのは、腐る。
確実に、腐る。
そんな音は世の中にいくらでもある。
僕はギタリストだ。
そんな脆いものを扱う自分は一体何をすべきなんだろう?と考えていた。
結局答えはないのだが。
そんな脆いものを扱っている自分を空しく感じるとともに幸運だとも思った。
何故、と聞かれても上手く説明出来ないけど、
そういう矛盾とかどうしようもなさが僕は好きなのだ。
僕がサウンドが大好きなのは、そういう脆さそのものが好きだからかもしれない。
MOLICEの曲、としてメロディや詩やフレーズを誰かが口ずさんで、
それがいつまでも残っていく事はできる。
だけどギターの音は音源がなくなったら消えてなくなるのだ。
そう思えば逆に楽しかった。
本当に。

結局は、普通のテレキャスターに電気が通ってるだけの音なんだけどね。

つづく。



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