MOLICE戦記ll -A Record of “MOLICE BATTLE”  second edition-

"MOLICE"ギタリストによる、日々の戦いの記録

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『NEUGRAVITY』全曲解説 3 「FATEMA」

2012/06/27 Wed [Edit]

『NEUGRAVITY』全曲解説3曲目。
「FATEMA」である。
映像はこれだ。



「FATEMA」なのか「FATIMA」なのか、と
一部ではガヤガヤしていたが、
これは造語なのでどちらでもいいと言えばいいのだろうが、
作者Rinkoの意図としては、「FATEMA」である。
こうした手違いが起きるのもご愛嬌であろう。

肝心の意味である。
これはインタビューでも聞かれた。
僕もそう思った。
これはどういう意味なのか。
Rinkoがいうには、これはある人物の言葉の中に
出て来た単語だそうだ。
「FATE」つまり「運命」という事だ。
だからこの曲のタイトルは、
「運命」である。
ファティマ、という言葉の響きはとても気に入っている。
いい音だと思う。

その歌詞を見てみると、
ある種の共感、シンクロニシティを歌っているようでもあり、
ラブソングのようでもあり、
「あなたのところへ わたしのところへ」
というサビを聞くと、
まさに何かの「運命」について歌っているのかな、と
想像したりもする。
僕自身、それを想像して楽しんでいる。
メンバーが作っている歌詞だが、
深い意味まで詮索したりはしない。
その世界を皆さんと同じように、想像して楽しんでいる。
意図や意味を知りすぎることは、つまらなくなることもある。


この曲自体も、実は古い曲である。
Rinkoの作曲スタイル、というのは様々あるのだが
このコード進行がそのままリフになる、というのも
重要なスタイルの一つかもしれない。
コードを聴き取れる方は是非聴いてほしいのだが、
この曲はとにかくコードが多い。
だが不思議な事に、そのコードの多さを感じさせない
流暢な流れを僕は感じる。
実際、当のRinkoは、「ただ自分の中で聴こえたコードをつなげただけ」
というのだから、コードの多い少ないなど、
どうでも良い事だったらしい。
アレンジに際して、
始めは、何かフレーズを付けようとしたこともあった。
だが、そのアイデアは上手くいかず、
そのコード進行をそのままリフにしてしまうアレンジが完璧にはまった。
自分にとっては、「何もしないこと」が
「会心の一撃」となった。
僕の中では、STOOGESくらいパワフルになった、と
思っている。

間奏も、コード進行そのままである。
このサイケデリックなコード進行も、
そのまま従った。
僕に必要な作業は、サウンドを決める事、
その一点のみだった。

前述のSTOOGESや、LED ZEPPELINを
僕は強く意識してた。
ハードなリフでゴリゴリ押し切る日本人バンド、というには
あまりないと思っていたし、
この曲なら、自分たちなら、
それが出来るのではないかと思った。

僕は、「FATEMA」は
実はとても革新的な曲なのではないか、と思っている。
一聴すれば、オールドロックのスタイルであるようで、
実は微妙にその枠から外れている。
ありそうで、ない。
僕はRinkoが提示するそんな曲にいつも驚かされる。


そんな意味でも、
この曲の方向性はまったく迷う事なく進んだ。
録音時の演奏も、実に気持ちのよいものだった。
それこそ、LED ZEPPELINをコピーしているような
心地よさがあった。



しかし、この曲の一番の魅力は、
そんな僕の意図や試行錯誤とは関係なく、
PVのタイトルの綴りが違っている事すら飛び越えて、
「ただのロック」として楽しめる点にあるのかもしれない。

皆さんにも、
この曲のパワーを感じてもらいたい。






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『NEUGRAVITY』全曲解説 2 「Please Please PRIS」

2012/06/18 Mon [Edit]

「Please Please PRIS」

この曲は、今作の最初のPVにもなった。
この曲自体は、何年も前からあった曲である。
実はMOLICE結成時、国分寺のRUBER SOULというバーで
毎週ライブをやっていた頃にも演奏していた。

曲が産まれた時の事を思い出すと、
僕のイントロのリフから発展したのだと思う。
バンドリハーサル中に、僕があのイントロのリフを弾いた。
アメリカのオルタナ、ハードコアのような
サウンドをイメージしていて、妄想するように
ギターを弾いていた。
ギターの一撃で曲が決まる。
そんなリフを作りたかった。
僕がリフを弾く。そこにRinkoがリッケンバッカーで
ガシガシとリズムを入れる。

話はそれるが、僕らのアルバムを聴く人には
是非バッキングのギターをもっと聴いてもらいたい。
Rinkoのリズムギターは、確実にこのバンドの
動力源になっている事に気づくはずだ。
長いロックの歴史の中で、「リズムギター」と呼べる
パートが確実に存在していたのは
ビートルズと、ストーンズだけだ。
ジョン・レノンとブライアン・ジョーンズ。
リズムギタリストとは、彼らのことを言う。
MOLICEにおいて、その役割を担っているのは彼女なのだ。
是非聴いてみてもらいたい。
その疾走感に酔ってほしい。

話を戻そう。
そして、メロディがうねりだした。
素晴らしい瞬間だった。
そうやって出来た曲だったと思う。


この曲は、当初収録される予定は無かった。
大震災の後、このアルバムの制作を見直していく過程で
この曲を入れる事を決めた。
今我々に必要なのは、このエイトビートのエネルギーだ、と
あの時、思った。
アレンジをし直し、Rinkoは歌詞を書き変え、
そのメロディにも手を加えた。


プリスは、映画『ブレードランナー』に登場する
慰安婦用のアンドロイドだ。
ダリル・ハンナが演じていた。
金髪のボブカットとパンダメイクが印象的だった。
定められた寿命に疑問を抱き、格闘するアンドロイド。
問いかけ、絶望するアンドロイド。
Rinkoの歌詞には、印象的なフレーズがたくさんあった。

「何にも答えられないって
制作者の偉い人は言い放つ
当然みたいに」

このアンドロイドを制作した科学者と思しき人物についての歌詞は、
まるで、あの福島の事故の時に見た
テレビの中のワンシーンのようで、
僕は少しドキリとした。
そんなシンクロニシティが起きる事も在る。

「見えない時間と 耐え難い軽い存在」



Rinkoの詩世界の中で、
プリスは恨み言を言う訳でも、
怒りを表明する訳でもない。
想像し、永遠を見つけようとする。

「夢をみたわ オレンジ色の愛を買う夢を」

とにかく全編を通じて
歌詞が素晴らしいと僕は思っている。
オレンジ色の夢を、
僕はあのフレーズで表現しようとした。
アナログディレイは、僕の一部だ。

こうして『NEUGRAVITY』の
「Please Please PRIS」は生まれた。



我々MOLICEは、
音楽で、音で、
映像と思想を表現できる、と未だに信じている。
音楽が総合芸術だ、と未だに信じている
絶滅危惧種なのですよ。






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Author:TAKEDA YUZURU
モリス
その音楽と戦いの記録、と。

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