MOLICE戦記ll -A Record of “MOLICE BATTLE”  second edition-

"MOLICE"ギタリストによる、日々の戦いの記録

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アトランタ戦記5

2011/02/26 Sat [Edit]

ここはアメリカだ。
目の前で僕らの演奏を見ているのは
アメリカ人だ。
今回は我が戦友のエフェクターたちもたくさん同行させた。
選抜メンバーで臨んだステージだった。
サウンドエフェクトたちは存分に働いてくれた。
海外も三回目となり、
とにもかくにも電源対策のことばかりが気がかりである。
準備のかいあって、何の心配もなく、
アメリカのツインリヴァーブに
僕の音をぶち込むことができた。
このアニメファン・オーディエンスというのは
とても独特な雰囲気で音楽を聴く。
何とも説明のしようがないが、
ハノイのオーディエンスのように、
狂気じみたテンションではなかった。
まあアルコールが無い、という環境がでかかったように思う。
十代、しかも高校生くらいと思しき観客が多かったので
酒もないのは仕方なかろう。
ハノイは逆に会場中が酒浸りだった。
淡々としているようだが、熱いものも感じるという
不思議な空間。
以下がその日のセットリスト。


< アトランタ AWAフェスティバル Set List >

1. レイチェル
2. HEADPHONE
3. Monster
4. 透明まみれ
5. UNDERSTAND M
6. Love Song
7. 白いめまい
8. ビリビリ
9. ROMANCER
10. Active Imagination
11. 淡い風
12. into YOU
13. Pretty Sound
14. 宝石物語
15. スーパースター

A. HOLE!!

一時間以上のステージだったが
やはりこのくらいが良い。
狂喜乱舞する観客、という姿はあまり無いまま、
終演後、物販ブースへ。
だが、そこでこの日一番驚かされた。
とにかく売れた売れた。
そしてサイン。
生涯であれだけの短時間で自分の名前を書いた事は無い。
CDからTシャツ、フライヤーに至るまで
あらゆるものにサインした。
おかしな契約書を紛れ込まされていても
うっかりサインしてしまっていたかもしれない。
そのくらい、サイン、だった。

この購買力。
迷うくらいならやってみる。
そんなこの国の血を感じ、その潔さが気に入った。

若そうな青年が近づいてきて、
お前のギターはグレイトだった、お願いだからピックをくれないか、と
言うので、ライブに使ったボロボロのピックをポケットから取り出すと
嬉しそうに受け取ってくれた。

最後の一人にサインをして、
皆で笑顔でお別れ。
僕らも機材や販促物を片付けてホテルの部屋に向かう。
途中、小太りで小さなスーパーマンが
リンコ氏に近づき、自分の筋肉を披露しながら
荷物運びは任せろ、と親切心を見せて頂いたが、
機材運びより世界の平和を守ってくれ、と丁重にお断り。

遅い夕食を済ませて風呂に入り
その日は泥のように眠った。

実に不思議なライブだった。
気に入った、という事を表現する方法は実に多様なのだ、と
最前列でかくかく首を振っていたアラレちゃんの
サインを求めるキラキラした目を思い出しながら、思った。


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アトランタ戦記4

2011/02/20 Sun [Edit]

アトランタでの朝。
我々が宿泊していたのは11階くらいのフロア。
で、一階のホール全体がAWAの会場になっている。
この感じをどうやって伝えれば良いか。
行った事のある方にしか伝わらないと思うが、
東京ドームシティ全体が屋内にあって、
我々は東京ドームホテルの上に宿泊しているような感じだ。
全てがこの屋内の空間で完結しているので、
アトランタという街の空気を感じる、という雰囲気ではない。

で、朝食を済ますと
ショッピングブースの会場へ。
ここで「MOLICEコーナー」を開設して、
夜のライブのために営業を行うのだ。
といっても誰かが作ってくれる訳ではないので、
ライブハウスでの物販のように
自分たちでビラを貼ったりして店を作る。
ブース、といっても体育館4個分くらいの広さがある。
その片隅で黙々とお店作り。
お祭りの露店を作っているような感じだ。

我々以外の全てはアニメショップだ。
フィギュア、Tシャツ、プラモデル、
その他様々なアニメグッズが売られている。
どれもこれも日本のアニメ。
恐ろしいカルチャーショックだ。
こんなところで極東のロックバンドの露店は
受け入れられるのか?
半信半疑のまま、お店を開き
ちょこんと座って売り子となる。

するとどうだろう。
来るわ来るわ。
アメリカ人がわらわらとやってきて
お前たちは何者だ?どこから来た?
何をやるんだ?といった質問を繰り返す。
説明がとても大変だったので、
持参した書道道具で
我々は東京から来たロックバンドで、
今夜ライブをやるのだ、と半紙に書いて掲げた。
すると今度は、いったいどんな音楽なんだ?
という質問ばかりが来るので、
試聴用のCDウォークマンを設置したところ、
これがまた皆わかりやすい。
ためらいもなく聴き始め、
頷いて帰る人、一人で踊りだす人、一曲聴いてCDを買っていく人などなど。
Tシャツには漢字でのサインを求められる。
はじめから日本の事に興味がある連中ばかり、という
この恵まれた状況を実感する。
という事で国内では味わった事もないような
レスポンスのある事前のプロモーションとなった。
アメリカ人の購買力を肌で感じる。

交代で店番をつとめる。
目の前を通っていく人々は
八割くらい、アニメキャラ。
ここはどこだろう?
今自分は何を見ているのだろう?
ベトナムでのライブの後、
深夜の川沿いのクラブの外で、
ハノイの星空を眺めていたときと
同じような感覚。
自分がフワフワと現実ではないような場所にいる感覚。
自分が日本人という異邦人として
人々から見られている事実。
ねじれた頭を元に戻すため、
とりあえず部屋で昼寝をした。

リハーサルの時間になった。
会場はただのホール。
そこに簡易的なPAセットとステージが組まれている。
古びたツインリヴァーブがぽつんと置かれている。
古いライブハウスから漂うような、
音楽が床にまでしみ込んでいるような、
そういう重みはここには全くない。
でもこれも悪くないと思った。
よくも悪くも、全てが無機質に出来上がっている空間なのだ。
このイベント会場のすべてが。

セッティングをして出した音が、
きまり悪そうにホール中に残響する。
音の座りが悪い。
ベースアンプが吹っ飛んでいるアクシデントの中、
何もしないで30分以上待たされたが、
その間、僕はひたすら音を出していた。
出す音出す音全てが、
収まりどころを見いだせず、
床に転がっている。
そんな自分の音に、また自分の音を降り積もらせていきながら
僕は音をなじませていった。
だいぶなじんできた。

時間が来て、開場。
わらわらと人が入ってくる。
MCがアナウンスをする。
客を煽っているようだ。
急ごしらえのスポットライトの中をステージに上る。
コスプレの群衆と相対する。
アメリカに来た。アメリカでこれから演奏する。

全てのつまみをMAXにしてあるRATを
思い切り踏みつけた。
アンプがバラバラになりそうなくらい
デカイ音のフィードバックが出た。

リンコ氏が叫ぶ。
「We are MOLICE,from Tokyo」

ライブの始まりだ。









アトランタ戦記3

2011/02/09 Wed [Edit]

アトランタのハイウェイ。
アメリカの道はシンプルである。
ここからあそこまで行きたい、だから道をまっすぐ作る。
作るなら広い方がよい。
そんな感じだ。
ここに誰それの家があって、そこに彼の土地があるので
そこをうまくかわして隙間を通して作ったよ、という
我が東京の道とは全く異なる思考の元に作られているのがよくわかる。

どちらがよい、という問題ではなく。
そこに住む住人なりの美学と合理性の問題なのだ。
それが道一本に如実にうかがえる。

そんな事を考えながらたどり着いたホテル。
そこには日本のアニメのコスプレ軍団が跋扈していた。
「日本のアニメ」という事について
別段深く考える事もあまりないが、
冷静に考えれば我が国のアニメの主人公は
往々にして国籍不明だ。
我々は西洋人な顔をしているキャラクターにも
違和感なく接している。

ところが、変なのだ。
すごく、変なのだ。
本物のセイラさんがいると。
地球連邦軍の服を着た生粋の西洋人のセイラさんは
すごく、変なのだ。
忠実に再現された、いわば完コピのセイラさんが
これほど奇妙だとは思わなかった。

これは僕がチェックインしたときに感じた
様々な印象をひとさじ分だけ伝えるものだが、
セーラームーンやアラレちゃんや孫悟空に
「Hi!」なんて挨拶され続けている気分を全て伝えきるなど不可能だ。
本物の金髪のスーパーサイヤ人は、変なのだ。

にこやかで友好的なアニメキャラ達に
歓待を受けながら部屋に入る。
遅い夕食を頂く。
どの方々も皆親切で、皆日本語を話したがっていた。
僕らは特殊な環境にいるのだなあ、と感じながら
飲み放題のスターバックスに舌鼓。

ライブ会場を下見。
ホテルとホールが全て一つになっている場所なのだ。
テーマパークに宿泊施設もある、という感じだ。
会場、といっても何もない広いホール。
舞踏会でも催していいよね、みたいな場所。
音響や設備はインスタントなものになるな、という事は
容易に想像できる。
まあ設備はあまり関係ないが。
海外にいて普通の電源と電力がある、というだけで
僕にとっては最高の設備だ。

すれ違う人々は、皆、本当に皆、
コスプレ。

明日ライブに来るのはどんな人なのかな、と
すれ違うラムちゃんの後ろ姿を追いながら思った。


広いベッドはVIPな浴室にぶくぶく沈みながらつぶやく。
みんながフィードバックの音で逃げ出しませんように。。。。











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Author:TAKEDA YUZURU
モリス
その音楽と戦いの記録、と。

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